一人の人生で全科目をつなぐ
主人公は22歳で会社に就職します。出来事ごとに、本人・会社・行政・財政の4視点を重ねます。
遥さんは新卒で会社に就職します。民法だけを見れば、会社と本人が合意して雇用契約を結ぶ話です。ただし、労働者は生活のために働くので、契約自由だけに任せると交渉力の差が大きすぎます。そこで労働法が民法を修正します。
確認問題|会社と本人が合意すれば、労基法の最低基準より不利な条件も有効?
仕事が始まると、試験科目は「労働時間」「賃金」「休日」「年休」「安全衛生」に分かれます。しかし実生活では一つの勤務日の話です。会社が働かせる時間を決め、賃金を払い、休息を確保し、健康障害を防ぐという一連の管理です。
確認問題|本人が希望すれば36協定なしで法定時間外労働をしてもよい?
遥さんが肺炎で2週間休みました。ここでまず見るのは「仕事が原因か」です。同じ“病気で休む”でも、業務外なら健康保険、業務上なら労災保険へ制度が分かれます。
確認問題|業務上のけがで会社を休んだ場合、健康保険の傷病手当金が基本給付になる?
妊娠すると、「働かせ方の規制」と「休業中の所得保障」が同時に必要になります。ここが科目別暗記では見えにくいところです。
確認問題|育児の法制度は「休業できるか」だけ覚えればよい?
遥さんは転職のため退職します。雇用保険は単なる「失業したらお金をもらう制度」ではありません。失業中の生活を支え、職業訓練や再就職を促し、労働市場を回す制度です。
確認問題|雇用保険の基本手当は、退職した人なら働く意思がなくても受給できる?
遥さんの母に介護が必要になりました。母の側では介護保険サービスが動き、遥さんの側では介護休業・介護休業給付が動きます。同じ「介護」でも、対象者が違います。
確認問題|介護保険と介護休業給付は、同じ被保険者・同じ保険事故を対象とする制度?
遥さんは病気の後遺症で障害が残りました。年金の障害給付では、現在どこで働いているかよりも「初診日にどの制度に加入していたか」が重要です。
確認問題|今は厚生年金に加入しているので、過去の国民年金加入中に初診日のある病気も障害厚生年金になる?
定年後も働く人が増えると、「働けば年金が止まる」「高齢者を雇いたいが賃金は下がる」という問題が出ます。高年齢者雇用安定法、雇用保険、高齢期の年金が同じ場面で接続します。
確認問題|在職老齢年金は、働いている高齢者の老齢基礎年金まで支給停止する制度?
遥さんの老後所得は、老齢基礎年金だけではありません。会社員としての老齢厚生年金、企業年金、iDeCo等が重なる可能性があります。
確認問題|DCは将来の給付額をあらかじめ確定する制度?
遥さんが亡くなったとき、財産は民法の相続で承継されます。一方、遺族年金は社会保障法上の独自の遺族範囲・順位・生計維持要件で支給されます。「相続人=遺族年金受給者」ではありません。